コピペ095

59 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:2012/06/25(月) 19:04:02.65 id:Kbmakv4Y0 [1/2]
「パパー、お仕事おつかれさま!」
家の玄関を開けると、愛娘が立っていた。
はじけるような笑顔を見ると、一日の疲れも吹き飛んでしまう。
「ああ、ただいま」
「おかえりなさい、あなた」
娘を抱きかかえると、妻がこちらに歩いてきた。
「……」
娘が抱きついて、こちらの表情が見えないことに油断してしまったのだろう。
つい、表情が沈んでしまった。それで、妻も事態を察する。
わが社ベンノはブラスト会社として窮地に立っているといってもいい。
圧倒的性能で市場を席巻したナクシャトラ社に、新型の性能で挽回し始めたTSUMOI。極端な性能が好事家を刺激してやまないAE社。
それらに比べて、ベンノは中途半端だった。戦場であまり役に立たない機能を追求した結果は、パーツの使用率に顕著に表れていた。
満を持して登場したツェーブラ48C型も、中量級で多大なるシェアを誇っていたクーガーS型、その新型NX型の牙城を崩すことはできなかった。
傾きつつ経営。その打開策として、上層部のとある娘がグラビアデビューしたのだという。
それを買うことを強要された。薄給で毎月厳しい家計である。
「……まずは、ご飯にしましょう。お腹、ぺこぺこだもんね?」
「うんっ!ごはん、ごはん!」
嬉しそうにかけていく娘。今週末に連れて行くと約束していた遊園地の費用にと貯めていたお金も、それに消えた。
なんと娘に言えばいいのだろう。風邪でも引いたことにしようか。
せめて、償いの日の夕食は豪勢にしようと、思った。